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次代に残したいふるさとの味―農家が教えるおやきづくり

2009 年 8 月 25 日

小布施子ども教室運営委員会(長野県・小布施町)

お土産はおやきと野菜!

お土産はおやきと野菜!

 栗ガ丘小学校の放課後を利用した「子ども教室」での畑の活動。4月からみんなでいろいろな野菜を育ててきた成果か、今では、
 「草取りには来ないのに、なんで収穫だけ来るんだよー」
 と子どもたち同士の間で声が出るくらいの結束ぶりだ。今日はみんなで育てた地場野菜の小布施(おぶせ)丸ナスを使って、郷土料理のおやきづくりに挑戦する。

「もうちょっと下まで切らないと、お味噌が塗れないよ」

「もうちょっと下まで切らないと、お味噌が塗れないよ」

 1年生~6年生 35人が、縦割り5班に分かれて家庭科室の調理台に着く。手伝ってくれるのは、3人の農村生活マイスターのおばちゃんたち。
 小布施丸ナスは、まん丸なかたちのため、スライスするのが普通のナスよりも大変だ。6年生の女の子が3年生の男の子に、「そのくらいで包丁を止めていいんじゃない」と声をかける。「ううん、もうちょっと…」といって欲張ったら、ナスを下まで切ってしまった。
 「どうしよう? もう一度切る?」
 「大丈夫だよ。お味噌をナスでサンドイッチすればいいんだから」と、決して慌てないのがマイスター。

 具材を皮で包む場面になって、小布施町教育文化グループの勝山さんから声が上がった。
 「さあみんな、おばちゃんに農家の技を教えてもらってねー!」
 小麦粉の生地を丸く広げて伸ばしていくおばちゃんたちの手元に、子どもたちの真剣な視線が一斉に注がれる。と、ナスをのせて包むときに生地が少し破けてしまった。「あらら」と笑いながら残りの生地から一つまみ頂戴し、破れた箇所をふさぐ。失敗したときの裏ワザ?を覚えたことで、子どもたちも肩の力が抜けて楽しく作業に没頭する。

これぞ農家のワザ!

これぞ農家のワザ!

 なかには、おばあちゃんと一緒に家でおやきづくりをしたことのある子もいるようだが、経験のない子にとっては、この子ども教室でのおやきづくりは、地域の伝統料理に触れる貴重な機会だ。しかも教えてくれるのは、ふるさとの生活文化を継承している農村生活マイスターのおばちゃん!

 蒸し上がったばかりのおやきをみんなでおいしく食べ、家へのお土産も抱えて帰っていく子どもたちを見送りながら、
 「子どもたちにはとにかく農業を好きになってほしいと思います。農業は、ちゃんとやれば好きになりますよ。自分自身がそうでしたから……」
 マイスターの寺島さんは、そうつぶやいた。

文責:関東ブロック事務局 中川哲雄