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ありっ竹使い富士山水系の食を知る

2009 年 9 月 5 日

ふじ食農体験交流協議会(静岡県・富士宮市)

真剣なお母さんと楽しそうな子ども

真剣なお母さんと楽しそうな子ども

 「富士山の豊かな水系で山も川も田畑もつながり、この地域の食が育まれている」
 高原の酪農、麓の田畑、下流のニジマス養殖業、それぞれの地域産業が分断されるのではなく、子どもの未来を真ん中に据えて、業種の壁を越えて結び合おうというのが、副理事長の小池猛さんをはじめ、スタッフたちが教育ファーム活動にこめる共通の願いだ。

 大きなゴールに向けて、参加者たちの小さな積み重ね。集まってきた9家族30人を引き連れ、これまで田植えをしたり蛍の観察をしたりした田んぼの近くの竹やぶで、この日の活動はスタートする。山と川と田畑、里山のつながりを意識するのに、竹やぶの竹は、やさしい教材になるのだ。

「持てるかー?」「うん!!」

「持てるかー?」「うん!!」

 手入れをする人がいなくなり伸び放題の竹に小池さんがノコギリを入れる。しなりながら倒れてくる竹の迫力に、お母さんたちも大歓声!日曜の朝のまったりした空気にこれで喝が入った。目を輝かせた子どもたちが、倒れた竹にわれ先に群がってくる。
 「よーし、みんなで運んでくれー」
 1本の竹を4、5人がかりで担ぎあげるのだが、男の子たちは押し分けるようにして「お先棒」を持ちたがる。

 切り出した竹を使って、次はキャンプ場で竹筒ごはんの準備だ。竹の節の位置に気をつけながら、のみの刃を真っ直ぐに入れると、拍子抜けするくらい簡単に刃が向こう側まで通る。
 「簡単にできちゃうんですね~」と、のみを握った我が子の竹を横から押さえるお母さんも夢中の様子。
 「そうなんです。竹は優れものなんですよ」と小池さんも嬉しそうににっこり笑う。
 蓋を開けた竹のなかに入れるのは白糸コシヒカリ、水はキャンプ場の山の裏から出ている湧き水、文字どおり富士山から流れてくる水だ。

「それ、ぼくがつかまえたニジマスなんだよ」

「それ、ぼくがつかまえたニジマスなんだよ」

 同じ水系の川では、子どもたちがおかずとなるニジマスのつかみ取りに挑戦。焼いたニジマスは竹のお皿に、炊きあがった竹筒ご飯にプラスして、朝霧ヨーグル豚の豚肉で食育BBQ。さらにデザートは、朝霧高原の牛乳を使って竹プリンだ。

 お母さんの一人が、
 「竹でこんなにいろいろなことができるんだなーって知りました」
 しみじみと、そう語った。

 今日切った竹の残りは、次の稲刈り体験で、はさがけの支柱として使われる予定。
 「豊かな水を中心に山も川も田畑も一体になって育まれる地域の食」
 小池さんたちの思いが、体験を通して少しずつ、だが確実に、子どもたちやお母さんたちへと伝わっていく。

文責:関東ブロック事務局 中川哲雄