田植えは午後にのびのびと
2008 年 6 月 17 日紀の川市環境保全型農業グループ(和歌山県・紀の川市)
「えっ! 田植え、午後ですか?」
紀の川市立名手小学校の5年生の田植えは午後1時半開始と、窓口の紀の川市役所農業振興課の城山さんに電話を入れた時、思わずそう叫んだ。
「だって、子どもに時間を気にせず田植えを体験させたいやろ。午前中にすると、どうしても給食の時間が気になる…時間にせかされるからね」
5年生の総合学習で稲作に取組む学校は多く、午前中の授業時間をあてる場合もある。ほ場が学校内にある場合は少なく、移動にバスを使う場合さえある。だから常に時間との戦い。「早く並びなさい」などなど、「早く」「早く」と先生の声が飛び交うのが常である。
6月17日1時半、名手小学校の田植えは予定通り始まった。首にタオル、ビーチサンダルをはいた子ども達はやる気満々。梅田校長先生が「わしは今日、パンツのはきかえも持ってきてる。みんながんばるぞ!」の掛け声と、紀の川市環境保全型農業グループの田中さん、畑さんが、田植えひもを子ども達の目の前に出し、苗を手に取り実演後、学校の隣にある歩いて3分ほどの田んぼで田植えは始まった。
2クラスが順番で田んぼに入る。途中、田んぼの目の前の家に住むおばあちゃんが出てきて、子ども達に囲まれ昔話が始まる。田植えを終えた子ども達は、足の泥を落としてまた田んぼが気になって戻ってくる・・・。思い思いの時間が流れる。午後3時半、放課後の活動時間にずれ込んで、名手小学校の田植えは無事終わった。
(文責:事務局)