ピンチを乗り越えたレタスでオリジナルレシピ
2009 年 10 月 22 日昭和村教育委員会(群馬県・昭和村)
昭和村はレタスとコンニャクの産地。レタス専業農家の指導のもと、順調にはじまった大河原小学校の教育ファーム活動だったのだが……
5、6年生12人がレタスの苗の植え付けを行ったのは、8月の末。当初は7月の予定だったのが、ずっと続いた長雨のため延期が重なり、とうとう定植が1カ月以上ずれこんでしまった。
指導農家の星野さんと土沢さんは、「今から苗を植えても収穫は10月の初霜が降りる時期。植えた苗の1割も収穫できるかどうか……」と、厳しい見通しを子どもたちに伝える。霜に当たったレタスは低温障害で傷んでしまうのだ。「でも、レタスに被覆ネットをかけて保温すればいくらか効果があるかもしれないな」
その話を聞いて、さっそく使い古しの被覆ネットを農家からわけてもらった子どもたち。9月、10月と、冷えそうな日は自分たちでネットをかけてレタスを育てつづけ、収穫の日を迎える。「1割もできれば」という予想に反して、定植した苗のほぼ半分(レタス農家もびっくりするほど)の収穫量に子どもたちは大喜び!
次の日にはその感激の勢いのまま、「レタスはサラダだけじゃない」「今まで食べたことのないメニューで味わおう」と、家庭科の時間を使って創作レタス調理体験に取り組んだ。
「ジャガイモとレタスはきっと合うよ」
「味付けはケチャップとマヨネーズはどう?」
つくりながらイメージを膨らませ、アイデアを出しあい、完成したのが『ケチャマヨレタス』。レタスとジャガイモのシャキシャキ感がポイントだと先生たちにも好評のレシピは、ついに1月の「教育ファーム推進全国大会」でパネル展示されることが決定した!
そんな晴れ舞台も、長雨での延期にめげずにみんなで大事にレタスを育てつづけたから。自然の厳しさを汗と知恵で切り抜け、収穫からさらに「食」までつなげた術は、ピンチを通してこそ学べたものだったのかもしれない。
文責:関東ブロック事務局 仙道五郎