これは工作か調理か。大豆をつぶして味噌作りにチャレンジ
2009 年 11 月 19 日明成高等学校調理科リエゾンキッチン(宮城県・仙台市)
米麹と塩を手でかき混ぜて[塩切り麹]を作った、仙台市立中山小学校の3年生たち。そこに、明成高校調理科生がもうもうと湯気を上げる煮大豆を運んできた。ふくよかな香りがいっぱいに漂う調理室。小学生は見たことのない光景にびっくりしている。「はい、あおいで冷まそう」……お兄さん、お姉さんに促されてヘラでかきまわし、トレイをうちわであおぐ。そうして冷めた煮大豆を一粒、口に……
「おいしい!」「柔らかい」「ウチで食べたことないよ~!」
体験にやってきた子たちのほとんどは、煮た大豆を食べるのは初めてのようだ。次は、粗熱がとれたところで大豆をビニール袋に移してつぶす作業。袋の上からすりこぎをゴロゴロ。みんなで囲んで拳でダダダダン!と乱れ打ち。渾身の力業で、みんな次第にハイテンションになってきた。
仕込みも終盤、よーくつぶれた大豆を塩切り麹と合体させる。今度はこねてこねて、こねまわして混ぜる。
「ハンバーグを作るのに似てる~」
「でもウチにある味噌より色が薄いよ」
じゃあ味はどうかな?食べてごらん。
試した子どもが絶叫した。
「わ~!しょっぱい!!!」
「でも、おいしいかも…」
これを3ヵ月熟成したらどんなふうに変わるか。来年2月の味見と調理体験が待ち遠しくなる。
サポートする調理科生たちは、愉しそうにしながらかすかに戸惑いも浮かばせる。
「兄弟で私が下なので弟や妹がいないんですよ。だからどう接したらいいか、ちょっとわからなくて困っちゃうこともあります。でもお菓子作りはお子さんも大切なお客さんとして接する仕事なので、こうした交流から何か学んでいきたい」と、パティシェを目指している女子生徒。調理師を目指す男子生徒は、「ふだんの授業では学べない人との関わり方を身につけていきたい」と語った。
これも、おいしさで笑顔をつくる人になるための必須科目なのだ。
(明成高等学校調理科リエゾンキッチンの6/20の活動レポートもあります)
文責:東北ブロック事務局 渡辺征治