冬の海は食の宝庫 間引きワカメはしゃぶしゃぶで
2009 年 12 月 12 日有限会社 オズ(三重県・鳥羽市)
10月に海へはなったワカメの赤ちゃんの成長を見るため、答志島から漁船あみりき丸に乗って養殖場へ向かう参加親子11人と(有)オズのスタッフたち。
ワカメの赤ちゃん、どのくらい大きくなっていると思う?
「20センチー!」「50センチー!」「1メートル!」
子どもたちはみんな、ワカメの成長を楽しみにしている。
やがて養殖場に近づくと、海中にヒラヒラと広がるワカメが目に飛び込んできた。
「わー、スゴイ!大きくなってる」
約50センチ、大きいもので1メートルはある。およそ一月半で驚くほどに成長したワカメに、子どもたちも興奮気味。
「このワカメをもっと大きく育てるために、今日は間引きを行います。ロープに親指と人差し指を当て、ワカメの根元をねじるようにとる。日光の通りをよくすることで成長を促します」と、漁師の清水良孝さんの指導のもと、子どもたちはさっそく間引き作業に挑戦。
こぶし2つ分、20センチ間隔に間引いていく。間引いたワカメの長さを測ってみると、なんと109センチ!予想以上の長さだ。
島に戻ると、待ちに待った昼食の時間。民宿あみりきで、清水さんの奥さん、美奈代さんが、間引いたばかりのワカメを食べやすい大きさに切ってザルに盛ってくれる。今日のご馳走は「ワカメのしゃぶしゃぶ」だ。ワカメをサッと湯に通した瞬間、深緑色のワカメがふわぁっと明るい緑色に変わる。
「ワー、きれい!」
子どもたちの歓声があがる。
「すごくおいしい!」
歯ごたえがあるけど柔らかい、新鮮な食感がたまらない。しゃぶしゃぶの脇には、ワカメの味噌汁、ワカメサラダ、答志島産の牡蠣フライが添えられた。寒くて厳しい冬の海。でも冬の海の恵みはとても豊かなのだ。
「地元を好きになってくれることで、地元に残る子どもたちが増えるかもしれない。そうすれば地域を維持できる。地域の未来という視点で親子参加型のプログラムを考えていきたいですね」と、(有)オズの兵頭智穂さんは取組みの手応えを感じている。
文責:東海ブロック事務局 児玉記幸