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運営の秘訣は、受け入れ側が主導権をもつことにあり

2008 年 7 月 2 日

平出水コミュニティー協議会(鹿児島県・大口市)

指導にあたる丸田さん。存在感あふれる背中が印象的

指導にあたる丸田さん。存在感あふれる背中が印象的

「コラコラ、植えることに集中せんか。そんな半端な気持ちじゃ、米は育たんぞ。苗に気持ちを込めることが大切ぞ」、「苗は印の下に植える。そこが、印か?目はどこについとる」。拡声マイクを片手に代表の丸田和時さんの檄(げき)が飛ぶ。

平出水コミュニティー協議会の田植えは、“丸田節”ともいえる絶妙な語りかけがポイント。叱り、笑わせ、テキパキと手際よく進行させる。作業のサポート体制も万全。
たとえば、印綱。水面の上2センチに綱がピーンと張られ、植えるべきポイントが一目両全。他地区の田植えの場面では、この印綱がゆるんだり、たわんだり、水没したりで、植える場所がわからなくなるトラブルは多いが、ここのは完璧。

キャプション:一番大事な印綱の担当者。ベテランの絶妙なコンビネーション

一番大事な印綱の担当者。ベテランの絶妙なコンビネーション

印綱の係りは、この道60年のベテランコンビが担当しており、熟練の技が光る。苗の受け渡しは20代の若いもんの出番。きびきびと田んぼのなかを移動しては苗を補給していく。作業するうえでの細かなポイントが押さえられ、初心者でもスムーズに体験できるようになっているのだ。

「平ら」なところでも、清らかな水があちこちに湧き出る「出水」があるから、その名がついたという鹿児島県大口市平出水。熊本県と宮崎県との県境 伊佐盆地の中に位置し、『夏の最高気温は大口、冬の最低気温も大口』といわれるほど、一年を通じて寒暖の差が激しい気候と豊かな湧水は、米づくりに適していることから、伊佐米ブランドは九州全域にその名を馳せている。

水面すれすれにピーンと張られた印綱。何気ないように見えるが実はすごい技

水面すれすれにピーンと張られた印綱。何気ないように見えるが実はすごい技

丸田さんを中心にした地区の協議会は、20年以上前から、生産者と消費者の交流の場として稲作体験や田舎体験の受け入れを行なっており、年間延べ2000人が、この「小さなむら」にやってくる。
「何年も受け入れをする間に、お客さん扱いをしとったんじゃ、うまくいかんことに気がついた。こっちのルールをつくってそれに従ってもらうようにしてから、いいように回りだした」と、丸田さんが運営の秘訣を教えてくれた。郷に入っては郷に従う。やはり、取組みの主導権は受け入れ側がもつということ。
経験に裏づけられた生産現場の主導体制だからこそできる、満足度の高い「体験」の場がここにある。

(文責:事務局)