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年に一度の公認の火遊び!? 継承される「稲虫送り」

2008 年 7 月 12 日

別俣農村工房(新潟県・柏崎市)

子どもたちに受け継がれていくむらの伝統行事

「送るわー。送っくるわー、稲虫送っくるわー」
笛や太鼓の音色に合わせて、元気な掛け声が薄暗くなった田んぼにこだまする。
「別俣農村工房」(新潟県柏崎市)の子どもたちは「田んぼの分校」で稲を育てている。この日は、年に一度の「稲虫送り」の行事に、子どもから大人まで約 80名 が集まった。久米、水上(みずかみ)、細越の3つの集落(=別俣地区)から合流地点を目指して、参加者たちは大きな松明(たいまつ)を手に田んぼの畦を一 斉にねり歩く。その姿はどこか神秘的で、暗闇に揺らめく炎に吸いこまれるような気分になる。

大きな松明は大人の背丈を越える

「稲虫送り」は、五穀豊穣を祈願して古くから日本各地で行われてきた農耕儀礼のひとつ。松明の明かりで害虫をおびき寄せて、燃え盛る炎で駆除すると いう風 習である。乾燥させたカヤやアシ、ワラを束ねてつくる松明は、2メートルに及ぶ長さのものもある。両手でないと大人でさえ持ちきれない。そうした巨大松明を小学生になると、大半は一人一本ずつ与えられるのだが、どの子も物怖じせずに大胆に松明を振り回す。この日ばかりは公認の火遊び!?だ。

ごいの

松明の扱い方を「なりわいの匠」に習って、安全対策もバッチリ!

稲虫送りの出発前には、県認証の「なりわい匠」(※)である五位野務さん(79歳)をはじめ、老人クラブの人たちとかけ声を練習して準備も万端!松明を持てない小さな子どもだって、発煙筒を持ってちゃんと行事に参加する。地域の力を借りながら子どもたちは〈むらの暮らし〉を学んでいく。

※「なりわいの匠」
新潟県では平成18年度から中山間地域の農山漁村において、地域の豊かな自然や棚田等を活かしたグリーン・ツーリズムの一層の推進を行うため、伝統的な技 能や技術、生活の知恵などを有し地域の都市農村交流の指導者として活躍していただける方を「なりわいの匠」として認定している。

(文責:事務局)