「育てる」体験から得た食べものへの実感
2008 年 9 月 28 日もち米プロジェクト(滋賀県・大津市)
9月28日、大津市仰木の棚田では、「もち米プロジェクト」の稲刈りが行なわれた。
「地域の自治会を通じて地元生産者と連携し、仰木の棚田を活用・保全していこう」という思いのもとに、代表の中西さんほか自治会を中心とした地域の住民が集まりプロジェクトを開始してから5年。今年は、メンバー以外に地元の親子も参加して、より和やかな雰囲気での取り組みに。そしてもうひとつ、こちらは初めてのチャレンジとなったのが、田んぼの水管理だ。
お米づくりについて5年間、いろいろと手ほどきをしてきてくれた生産者たちだけれど、水やりなどの管理作業は体力的にそろそろしんどいご様子。それを見たもち米プロジェクトのメンバーたちが、「よし、じゃあ、自分たちでやってみよう」と決意。
5月の田植えのあとはほぼ毎日、交代制で棚田の水をチェックしたり、ザリガニの巣穴によって決壊した土手の泥ぬりに追われたりと、いざやってみると、次から次へとさまざまな仕事に追われる苦労の日が続く。
「”育てる”というのは本当に大変だということが改めてわかりました」
「もうお米が高いなんていえません」
夕暮れが迫る中、やっとのことで1反(10a)の棚田の稲を刈り終わった。コンバインで脱穀した収穫量は30kg×12袋=6俵ほどに。
「この辺りの農家でも反当たり8俵ほどの収量やから、ぜんぶ自分らでやったことを考えると6俵は豊作ちゃうか?」
生産者からこんなお褒めの言葉をもらい、苦労した水管理の日々を思いだしたのだろうか、参加者の表情には安堵感と達成感が浮かんでいた。
(文責:事務局)