HOME > 教育ファーム活動報告 >教育ファーム2009現地レポート» ブログアーカイブ » 「現代版・寺子屋」で放課後の農業体験

「現代版・寺子屋」で放課後の農業体験

2008 年 10 月 16 日

五ヶ瀬自然学校(宮崎県・五ヶ瀬町)

寺子屋風景

現代版寺子屋風景

  原生林で覆われた九州山脈の谷間にある五ヶ瀬町。はるか昔、九州ができる時に真っ先に海中から隆起した場所で、九州島発祥の地と言われている。豊かな湧水「妙見神水(みょうけんしんすい)」の潤す棚田が山懐に広がり、たわわに稲穂をつけ収穫の時期を迎えた景色はまさに桃源郷。栃木県出身の杉田英治さんは、そんな五ヶ瀬の魅力に引かれてこの地で暮らすことになり、文部科学省の「放課後子ども教室」の認定を受けて、平成17年から特定非営利活動法人「五ヶ瀬自然学校」に取り組んでいる。

  平日の午後3時過ぎ、鞍岡(くらおか)小学校(児童数55人)の子どもたちが、足取りも軽く集まってきた。五ヶ瀬自然学校が学童保育と異なるのは、放課後の居場所づくり以外に、この地で生きていくための知恵や技を身につける体験(週1~2回の農業体験)を日常的に行なっていることだ。
将来的にむらに帰って来る子どもを育てたい、これからの村を支える人材を育成しよう、という地域の思いが込められた五ヶ瀬自然学校は、まさに「現代版・寺小屋」といった雰囲気。
 今日も自然学校から歩いて五分の「風の子農園」に、未来の五ヶ瀬地域を担う子どもたちが足を運ぶ。

「今日はごぼうを収穫するよ」と、たくやん

 指導に当たるのは、茨城県出身の「たくやん」こと、野上卓哉さん(27歳)。エコファーマーを目指す未だ新米の若者だ。「農作業は、じっくりと時間をかけて取り組むタフな精神と、段取り力を養うにはとても良い教材みたいです。実家のおじいちゃんの野菜は大きくたくさん育つのに、自分たちの野菜はなかなかうまく育たない。なぜだろう?何が違うんだろう?と考えることが、“頭を鍛える”ことにつながっているような気がする」。そんな期待に応えるかのように、全国学力テストの結果、鞍岡小学校はトップレベルの成績をおさめ、県の教育委員会を驚かせたそうだ。
 単なる放課後の居場所づくりを越え、五ヶ瀬の明日を願う「寺小屋」と「農場」から、これからどんな子どもたちが育っていくのだろう。

文責:事務局