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「そば物語」――里山交流にあたらしい風

2008 年 12 月 14 日

社団法人 ふくい・くらしの研究所(福井県・鯖江市)

ソバ畑

ソバ畑

「わざわざこんな条件の悪いところで野菜をつくるなんて…」
 家族参加型の体験農場「食育体験サロン」を主催する、ふくい・くらしの研究所。スタートから3年目を迎え、里山の不耕作地をよみがえらせることにチャレンジしたのは、イベント型の体験から次のステップにすすみたいという思いから。
 鯖江市の市街地から車で20分。ここ河和田地区は、昔からイノシシなどの鳥獣害に悩まされてきた中山間地域。農家は自分の畑の管理に手一杯で、農業初心者が野菜づくりする姿を興味深げに眺めていた。

 お盆に約2畝(2a)の畑にまいた1kgのソバの種。11月2日にみんなで刈りとってハサに掛けたのだが、脱穀するはずだった日はあいにくの雨。集まれなくなった参加者の代わりに手作業で脱穀をしてくれたのは、ソバ畑のすぐそばに住む農家のおばちゃん、服部さんだった。

ソバ打ち

ソバ打ち

 実はこの服部さん、夏の炎天下に草取りをしながら、「こんな条件の悪いところ」で苦労していた農業初心者たちを、ずっと気にかけてくれていた。脱穀を終えたソバを自宅の縁側で2週間干して、ときどきやってくるカラスを追いはらいながら、「これじゃあ、おちおち留守もできんわ…」と、そうやって見事仕上がったソバの量は19kg!

 いよいよ、ソバ打ち大会の日。“自称ソバ打ち名人”たちが地元から駆けつけてくれ、聞けば、服部さんと同じように、「食育体験サロン」畑をときどき見てまわってくれていた農家もいた。「来年はこんなのつくったら?」と、アドバイスまでもらいながら、できたてのソバをみんなでおいしくいただく。里山に住む人たちとの変わりゆく関係に気づいたことが、今回のソバづくりの一番の収穫だったのかもしれない。

畑でとれたダイコンとネギを使った名物「越前おろしそば」

畑でとれたダイコンとネギを使った名物「越前おろしそば」

(文責:社団法人ふくい・くらしの研究所)