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農家の「苗取り」作業に「むら」の絆をみる

2009 年 6 月 16 日

高取町教育ファーム推進協議会(奈良県・高取町)

和気あいあいの苗取り作業

和気あいあいの苗取り作業

 上島浩さんたち地元農家が「苗取り」を始めた。適当な本数の苗を稲ワラで束ねる、田植え前の準備作業。子どもが握れるように、やや少な目の本数で束ねる。親指を巻き込むようにして、苗を2本のワラでくくり、指を抜いたところにワラの先を入れ、引っぱって結ぶ。根についた土をよく落としておくと植えやすい。

 奈良の山間部、吉野地方と奈良盆地の境界に位置する高取町は、地域農業を守ろうという思いが残る地域。今なお複数の農業関係団体が健在で、これまでもいくつかの学校の農業体験をそれぞれの団体がそれぞれ個別に実施してきた。それが教育ファーム事業をきっかけに、各団体の会長さんが一同に顔を合わせて意気投合、みんなで一緒にやることに!

小麦と餅米を搗き上げてきな粉をまぶした小麦餅

小麦と餅米を搗き上げてきな粉をまぶした小麦餅

 手植えの田植え経験者世代がほとんどなので、実に手早く「苗取り」は進む。手を動かしながら、和気あいあいと話が盛り上がる。
 「どうしても家によって苗の出来・不出来があって、そんなときは良い苗を分けあって植えよったよ。お金がない分、みんなで助けあって農業をしとったんよ。このあたりは、みんな仲良しや」

 田植えは地域の一大イベントであり、ハレの日でもある。町の「ふれあい加工部」の女性たちは、この日の田植えには参加しないが、終わったあとの「さなぶり」を子どもたちと祝って食べる郷土食・小麦餅を、前日から準備してきた。

先人たちが「苗取り」をしたイネを植える子どもたち

先人たちが「苗取り」をしたイネを植える子どもたち

 「昔は、農業がすべての基本やった。田植えも稲刈りも、みんなで手伝いあってやった。自然相手の仕事は、自然や植物やいろんな人の意見に耳を傾けながらせなあかんから、いろんなことを教えてくれます。そして何よりも、人間関係が養われます。農業は一人ではできないんです」

 地元の昔なじみ同志、お喋りをしながらの楽しい「苗取り」が終わった頃、たかむち小学校の5年生が田植えにやってきた。

 教育ファームをきっかけに、「わしらの故郷の子らを、みんなで育てよう」という共通の思いが、実を結びつつある。

文責:関西ブロック事務局 近藤直子