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「ほんもの」を知れば、子どもはこんなにも変わる

2009 年 7 月 14 日

特定非営利活動法人 食育むすびの会(佐賀県・佐賀市)

「コンブちょうだい」「コンブ」「コンブ」福岡さんに群がる子どもコンブ難民

「コンブちょうだい」「コンブ」「コンブ」福岡さんに群がる子どもコンブ難民

 「みんなーネコさんの手だよ、わかってるね。さぁ、切って」という福岡敏子さん(佐賀市食生活改善推進員)の言葉に、北川副幼稚園56人の園児が真剣に大人用の包丁を握る。3才になったばかりの年少の子でも、大人が手を添えて教えるのは最初だけ。二本目からは、まあるく手を握ってスパスパと収穫したナスを小気味よく切っていく。

お母さんや、まだ入園前の兄弟たちも見学にやってきて興味津々

お母さんや、まだ入園前の兄弟たちも見学にやってきて興味津々

 「ナスは、皮が切れる時、きゅーって言うね」
 「トントンっていい音がすると上手に切れてるんだよねー」
 回らない舌で、包丁技の真髄を語るちびっ子たち。
 「オモチャじゃなくて、本物の包丁を使わせんとダメ。よく切れるからこそ、ふざけちゃいかんとわかるし。スパッと気持ちよく切れた断面はおいしなぁってわかることもすごく大事!」と、福岡さんは力説する。
 「五感を使って『ほんもの』を理解させる」それが、福岡流。
 「熟したトマトは“採って、採って”って自分からポロンと千切れるとよ」と、得意そうに教えてくれる子どももいる。指先の触覚で「収穫時」を知っているのだ。

見て、嗅いで、触って、味わって……調味料も100% made in 佐賀

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 たぎった鍋に鰹節が投入され、味噌汁のダシのかおりがプ~ンと漂ってくる。このにおいの効果は絶大だ。パブロフの犬のごとく、鍋の周囲に集まる子どもたち……と、ここで奇妙な光景が!福岡さんを取り囲み「コンブちょうだい」「コンブ」「コンブ」と、ちっちゃな手が一斉に伸びてきた。ぱきぱきと小さく割ってもらった乾燥コンブを、子どもたちはさっそく噛み噛み。じんわり出てくる旨味に、“イェーイ!”
 こんなステキなおやつがあったなんてっ!

 「去年この幼稚園に教えにきた時、この子ら、昆布自体を見たことがなくて黒くて気持ち悪いって誰も食べ物とは思わなかったみたい。何てこと!この子ら、ダシも知らないんだと絶望的な気持ちになったけど、子どもってすごいね。一度食べてみたら、わかるんよ。ほんものを知ったら子どもは変わる。それもすごいスピードで変わる。変わった子を見て親も変わる。そうやって佐賀の家庭の食卓を変えて行きたいね、今ならまだ間に合う」と、福岡さんは実践の手応えを感じている。

文責:九州・沖縄ブロック事務局 矢野菜穂