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[理屈]と[体験]が重なりあう、食育サマーキャンプ

2009 年 7 月 22 日

会津食育推進協議会(福島県・猪苗代町)

ジャガイモ固!でもこの味は私たちにしかできない!

ジャガイモかたっ!でもこの味は私たちにしかできない!

 野営の炊事場で、パプリカを切っていた女子生徒が「私、ピーマンも含めて嫌いなんだよね」と漏らした。隣で見ていたヴィライナワシロの山際料理長が、「それ、そのまま生でちょっと食べてごらん」と促す。

シェフ山際の自信と笑顔に促されて、嫌いなパプリカをぱくり!

シェフ山際の自信と笑顔に促されて、嫌いなパプリカをぱくり!

 収穫体験こそ前日からの雨で中止となったが、ヴィライナワシロの体験農園の野菜は、ほぼ無農薬で栽培されている。彼女は渋りながらもパプリカをようやく一口かじってみた。
 「あれ? 思ったほどピーマン臭くないし、甘みもありますね!」
 嫌いから好きへ、劇的に変わったわけではなかったが、かたくなに閉め切っていた味覚のドアがほんの少し開いた瞬間だった。

 ヴィライナワシロに宿泊した千葉県の和洋国府台女子中学校2年生(310名)が調理体験で挑んだメニューは、福島が誇る食材を使った麓山(はやま)高原豚のカレー、飯館(いいたて)牛のハヤシライス、会津地鶏のクリームシチュー。前々週には山際料理長が和洋国府台女子中学校を訪ね、食育出前授業を実施していた。そのレクチャー[未来につながる食育]の内容を覚えていますか?
 「え~と、6つの“こ”食は良くないって教わりました。個人の“個食”とか、孤独の“孤食”、パンとかを好む“粉食”とか。あと何だっけ?」
 「好き嫌いの“固食”、必要な栄養素が摂れない“小食”、濃い味を好む“濃食”も心と体に赤信号を招く食べ方だったよね」と、横からヘルプを入れる山際料理長。
 「あと“五感”とか、“五味”が大事だって」

カレールーやドミグラスソースは超本格、ヴィラ特製

カレールーやドミグラスソースは超本格、ヴィラ特製

 どうやらキーワードは伝わっているようだ。五感は、「触覚・味覚・視覚・嗅覚・聴覚」。五味は「甘味・酸味・苦味・旨味・塩味」。そして味覚ではなく痛感の一種“辛味”を捕捉的にプラスする。

 悪戦苦闘しながらも調理体験は無事に終了。飯ごうのごはんが焦げた班、ジャガイモの煮込みが足りずガリガリの班と出来栄えは様々だが、「食べ物を育てるのも、それで料理を作るのも大変だね」という声に、体験の意義がみなぎっていた。

文責:東北ブロック事務局 渡辺征治