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地域の宝物「安家地大根」のタネ採りに初挑戦!

2009 年 7 月 28 日

安家地区教育ファーム推進協議会(岩手県・岩泉町)

枝から実サヤをもぐ。根元には栄養を使い果たした大根が。

枝から実サヤをもぐ。根元には栄養を使い果たした大根が

 岩手県北部、北上山地の山間に受け継がれてきた在来種が「安家地大根(あっかぢだいこん)」だ。鮮やかな紅色と硬い肉質が特徴のこの大根は、おろしなどで食べる、辛味大根の一種である。2003年から栽培に取り組んできた安家小学校では、今年初めて自家採種に取り組んだ。

 室(むろ)で冬越しさせた地大根を地区の農家から一本分けてもらい、学校の玄関脇に植えたのは、今年4月のこと。その後、ぷっくりと膨らんだ実サヤを6月下旬に抜き、およそ1か月間陰干ししておいた。

形はトウガラシみたい、ぷっくりした安家地大根の実サヤ

形はトウガラシみたい、ぷっくりした安家地大根の実サヤ

 校舎内のホールで、11人の生徒がカラカラに乾いた地大根を囲んだ。長さ5センチ前後で赤紫色の実サヤを割ると、直径2ミリメートルほどの茶色いタネが新聞紙の上にポロポロと落ちる。なかにはピョーン!と飛び出すタネもある。
 「跳ねるタネは、いいタネだっていわれるんだよ」と、指導にあたる新屋金蔵さん。
 サヤを裂く要領は決して難しくないから、すぐに余裕が出てきて会話がはずんだ。
 「うちでもたぶん今夜、おばあちゃんタネ採るよー。大根を乾かしてたもん。でも乾き悪いからってコタツに入れてた」
 海岸からも近い安家地区は、梅雨時でも冷たい霧を伴った北東風の「やませ」が吹き付ける。ストーブやコタツは、一年中必要な時にいつでも火を入れるのだ。

よく見ると黒、茶、白いのが混在。茶色が良い種のようだ

よく見ると黒、茶、白いのが混在。茶色が良い種のようだ

 この珍しい大根、「みんなは地大根が好きですか?」「どうやって食べるの?」と、聞いてみた。
 「おろしにして食べるのが普通かな」
 「サンマを焼いて、つけて食べるとおいしいです」
 「漬け物にもするよ。コリコリしておいしいよ」
 「ちょっと辛いけどね」
 金蔵さんに言わせると、おすすめはおろしや汁物。なかでも「豆腐田楽を囲炉裏のおき火で焼いてさ、地大根の搾り汁につけると、ジュワッ!ていうくらい熱いところがさ、うんめえのよ」と。
 その家ごとに好みや流儀があるのかもしれない。

 やがて、一本の大根についた種をすべて採りきり、食生活改善グループの玉澤雅子さんと安家地大根保存会の嘉村明美さんが集計……
 「発表します。全部で916個」
 「イエ~!!!!!」
 みんなの歓声が響き渡った。

文責:東北ブロック事務局 渡辺征治