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乙女もとろかす!魅力いっぱいの「生きもの田んぼ」

2009 年 8 月 11 日

かごしま食農育協議会(鹿児島県・鹿児島市)

橋口さんを中心に田んぼに分け入っての虫捕り

橋口さんを中心に田んぼに分け入っての虫捕り

 田んぼにはたくさんのトンボが飛び交っているが、網を振り回してもなかなか捕まえられない。
 「トンボは目がすごくいい。後ろからこうやってっ!」
 と補虫網を軽やかに繰って「ほれ」と得意げに披露するのは、指導農家の橋口孝久さん。教えられたとおり背後からねらうと、
 「やったー!」
 「とれたー!」
 あちこちから歓声が。

 声の主は、近い将来、栄養士を目指す鹿児島女子短期大学(生活科学科食物栄養学専攻)の2年生、37名。橋口さんの指導のもと、鹿児島市川上地区で、“AIGAMO (アイガモ) AIJOU(アイジョウ) ARIGATOU(アリガトウ)”通称AI.米(アイドットマイ)の収穫を目指し、アイガモ田んぼで米づくりに取り組んでいる。

昼食後、生き物の多様性についてみんなで話し合い

昼食後、生き物の多様性についてみんなで話し合い

 「なんでこんな暑いのにわざわざ昆虫採集?」
 「カエルとか、田んぼの生き物に興味ないも~ん」
 さっきまでの嫌々ながらの態度が嘘のよう。トンボを皮切りに、虫を見つけてつかまえるおもしろさにぐんぐんハマっていき……

 「これ、なんだろ?」
 「それはハシリグモ」
 「えっ?走り?」
 「見ててごらん、水の上をスイスイ走るから」
 「ひゃー、アメンボでもないのに水の上を走れるのぉ? こんなの初めて見た」。

 「橋口さん、この変なバッタは何?」
 「ああ、それはヒシバッタ」
 「でっかいねー」
 「これはカエルの大好物で、ペロリと食べられる」
 「うへ~」

これが、ウスバキトンボだよ

これが、ウスバキトンボだよ

 橋口さんを中心に会話もはずみ、そしてついに最後は、田んぼに潜むカエルを手づかみにし泥水を入れた飼育箱に突っ込んだ。その姿はなんとも剛胆!

 イネの葉っぱで羽化したてのウスバキトンボを発見。濡れた羽はまだ緑色で初々しく、いま襲われたら確実にいのちを落としそうな弱々しい存在。思わず、
 「がんばれー、がんばって飛んでいけー」
 と声援がこだまする。

 発見した田んぼの生き物は、全部で29種類。多様な生き物を通して食物連鎖の構図が見えてくる。
 「生き物いっぱいの田んぼは、とても豊かだと思いませんか?」という橋口さんの問いかけに、女子大生たちは、キラキラと目を輝かせながら大きくうなずいた。

文責:九州・沖縄ブロック事務局 矢野菜穂